豊かな自然にも恵まれた風光明媚なこの街は「東京の軽井沢」と謳われ、一戸あたり約300坪〜約1000坪の広々とした別荘地として、数多くの名士が邸を構えた。以来1世紀。「桜新町」は、世田谷住宅街の先駆けとして近代東京の発展と共に時代を生き続け、住まう地の理想と本質を磨いてきた。誉れを誇りながらも、実に伸びやかに、自由に、暮らしを愉しむ。そんな街の気風は、人と住まいの真の在りようを熟知しているからにほかならない。名だたる住宅街が集う世田谷。住宅街としての歴史を温め、次代に継承される邸をここに求めました。三方道路との間にゆったりとした空間を設け、上層階に向かいセットバックするフォルム、基底部のカラーリングなどで風格ある門構えをイメージした意匠。和の風情と現代都市の洗練美が融け合うクラシカルモダンをテーマに、「桜新町離宮」ともいうべき豪奢な私邸を描き出しました。その美しき外観に託したのは、住宅街のランドマークとなる存在感。住まう方はもちろん、街の人々からも永く、色褪せることなく、愛される邸宅景を目指しました。